【初心者向け】ICPの使い方とコツを現場目線で解説|誘導結合プラズマ分析のリアル

ICPって何?ざっくり解説

ICPとは「誘導結合プラズマ」の略で、主に金属元素の定量に使われる分析手法です。
プラズマでサンプル中の元素を励起・電離し、その発光(ICP-OES)や質量(ICP-MS)を測定します。

たとえば水や土壌、工業製品中の微量な鉛・カドミウム・鉄・アルミなどを測定できます。今回は現場でよくある“ICP-OES”の使い方を中心に紹介します。


1. 測定前の準備|立ち上げとチェックポイント

✅立ち上げ手順(※装置によって異なります)

  1. アルゴンガスのボンベ圧・流量チェック
  2. 冷却水の確認(チラーが正常作動しているか)
  3. ネブライザーやチューブが正しく接続されているか
  4. 装置の電源ON → プラズマ点火

👉 プラズマ点火後、安定化のために10〜30分待機します。
その間に試料前処理などを進めましょう。


2. 試料の前処理|8割ここで決まる

ICPでトラブルが多いのがこの「前処理」です。
測定精度・再現性・装置の寿命にも影響します。

✅よく使う前処理パターン

  • 酸による溶解(HNO₃、HCl、時にHF)
  • 希釈処理(最終濃度0.1~10ppmが目安)
  • ろ過 or 遠心(沈殿や未溶解物を除く)

⚠️注意点

  • 強酸使用時は素材(容器やチューブ)に注意
  • 濃度が高すぎると装置にダメージ
  • 金属塩による析出や白濁に注意

3. 測定操作とパラメータ設定

装置によってGUIは異なりますが、以下は共通ポイントです。

✅測定パラメータの例

  • 波長の選定(干渉が少ない波長を選ぶ)
  • RFパワー・ガス流量(機種デフォルト推奨)
  • 読み取り時間(Sensitivity vs Throughputのバランス)

✅サンプルの並び

  1. ブランク(溶媒のみ)
  2. 標準溶液(複数濃度)
  3. QCサンプル(社内既知濃度)
  4. 測定サンプル

キャリブレーションカーブを自動作成し、そこに実サンプルを当てはめて濃度を算出します。


4. 測定後の洗浄とメンテナンス

ICPは**「洗浄をケチると壊れる」**装置です。笑
分析が終わったら、以下を忘れずに行いましょう。

✅洗浄の流れ

  • 純水を5〜10分流す(管内の酸・金属を除去)
  • 必要に応じて希釈酸(例:1% HNO₃)を流す

✅日常メンテナンス

  • トーチに汚れ・カーボン堆積がないかチェック
  • ネブライザーの詰まり確認(エアーで軽く吹く)
  • 消耗品(Oリングやチューブ)の劣化確認

5. しくじり体験談:これで詰んだ or 焦った!

  • トーチを酸でガンガン洗って割った
     → 硝酸でも安全とは限らない。ガラスは繊細。
  • サンプルに不溶物混入でネブライザー詰まり
     → 遠心 or ろ過はマスト。時短すると結局時間ロス。
  • 酸の混合でガス発生→爆発音にビビる
     → 特にHF使用時は要注意!事前に確認しよう。

まとめ:ICPは「慣れ」で上達する装置

最初は怖くても、慣れれば「反応が早くて信頼できる相棒」になります。
特にOESタイプは取り回しがよく、日常分析に最適です。

失敗しながらでもいい。洗浄だけはサボらずに
経験を積めば、ICPはあなたの武器になります!

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