1. 品質管理とは?基本の役割と目的
品質管理(QC:Quality Control)は、製品が設計通りの品質を満たしているかを検査・確認する仕事です。
特に医薬品メーカーでは、製品が人の健康や命に関わるため、一般的な製造業と比べて非常に厳しい基準が設けられています。
主な業務内容としては、原料や中間品、最終製品の検査、製造工程のモニタリング、試験データの管理、異常時の調査と再発防止策の実施などがあり、どれも製品の品質を守るために欠かせません。
2. 医薬品メーカーでの品質管理のリアルな仕事内容
医薬品業界の品質管理では、GMP(医薬品の製造管理および品質管理基準)という法律レベルのルールに従って業務が進みます。
単に数値を確認するだけではなく、手順通りに業務を行っているかどうかの記録や監査対応まで含めて、「ルールを守っていた証拠を残す」ことが極めて重要です。
実際の業務内容例:
- 分析機器による検査やメンテナンス
- 試験データの記録と報告書の作成
- 製造現場への品質チェック、原料確認、監査対応
- 逸脱や不具合が発生した際の原因調査・是正措置
どれも緊張感のある業務で、ひとつのミスが会社の信用や製品の安全に直結することもあります。
3. 命に近い製品ほど厳しく、遠い製品は「なんとかなる」ことも
実際に働いていると、「品質管理の厳しさは、製品が命にどれだけ近いか」に大きく左右されると実感します。
たとえば、注射剤や抗がん剤のように体内に直接入る医薬品では、わずかな異物混入や数値のずれでも出荷できません。逸脱があれば詳細な調査と改善報告が必須で、文書上の一言ミスでも監査で指摘されることがあります。
一方、日用品や工業用品など、命に直結しない製品の場合、一定の基準は守るものの、軽微なミスであれば「通知だけでOK」「再検査で回収せずに済む」といった対応になるケースもあります。
つまり、同じ「品質管理」でも扱う製品によってプレッシャーや求められる正確性が異なるということです。これは業界選びや企業選びの判断材料としても非常に重要です。
4. 仕事の大変さとやりがい
品質管理の仕事には以下のような大変さがあります。
- 膨大な文書作成と監査対応
- 手順を守っていた証拠を残すため、書類作成にかなりの時間を割きます。
- 柔軟性のない業務フロー
- ルールが厳格で、「効率重視」よりも「手順遵守」が最優先されます。
- 残業や突発対応が発生しやすい
- 検査結果待ちで残業、トラブル発生で緊急対応ということも。工場の生産を止めて検査を行うなんてこともあります。最もやりたくない仕事の一つです。
とはいえ、やりがいも大きい仕事です。
- 自分の仕事が誰かの健康・命を守っているという責任感と誇り
- 分析技術や薬機法などの専門スキルが身につく
- 改善提案や監査対応で「頼られる存在」になれる
地味で細かい業務が多いですが、その積み重ねが製品の安全を支えています。
5. 医薬品メーカー志望者が知っておくべきポイント
品質管理職を目指すうえで、以下のような点は事前に理解しておくべきです。
- GMPや薬機法といった法規制の基礎知識は必須
品質管理の業務は、ほぼ全てがルールの上に成り立っています。 - 「書く」仕事が多いことへの覚悟
実験や分析だけではなく、記録や報告に多くの時間を割きます。 - チームワークが重要
製造・開発・品質保証など多くの部門と関わるため、協調性と丁寧なコミュニケーションが求められます。 - 製品の「命との距離」によるプレッシャーの違いを知る
自分がどんな製品を扱いたいか、どれほどの厳しさを受け入れられるか、あらかじめ考えておくとギャップを減らせます。
6. まとめ
品質管理は、製品の安全性を守る最後の砦です。
その一方で、製品によって求められるレベルもプレッシャーも変わってきます。
メーカーで品質管理を志望する人は、「品質管理とは何か?」だけでなく、「自分がどんな厳しさまで向き合えるか」「命に近い製品を扱いたいか」まで考えておくことが大切です。
きちんと理解したうえで飛び込めば、誇りとやりがいのあるキャリアを築くことができるはずです。
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